頑固おやじ物語

そういう私達も、元々は量産品の家具を地域の家具屋さんに納める卸売の仕事をしておりました。

家具屋さんに「○○円で売れるタンスを作って」と言われれば、それを作って納めていたのですが、ある日ショックな出来事がありました。

作ったタンスの側面を指で押すと、簡単に穴があいてしまうのです。すぐに作った工場に電話をすると、工場の答えは「その金額で売るためには、その作り方にするしかないよ」

それを聞いた頑固おやじの先代の社長は「そんなもの売らなくていい!使う人に失礼だ!」と怒って言いました。そんなものを使って、使う人が喜ぶわけがない。自分だったらうれしくないし、使いたいとも思わない。そう思っていたのですが、納める家具屋さんの反応は違いました。「いいんだよ、売れれば。」その一言から、自分たちがやっていることに疑問がわいてきました。

本当に良いものはなんだろう。家具屋さんではなく、使うお客さんが喜んでくれる家具とはどんなものだろう。自分でも使いたいと思える家具はどんなものだろう。言い換えれば、その時の反省が、今の頑固おやじの原点であるとも言えるのです。

そんなある日、出会いがありました。

出張で訪れた家具工場の敷地の片隅に小さなプレハブ小屋があり、そこに栗の木のテーブルとイスがありました。休憩中だったのでしょうか、側に職人が座っていました。

「これ・・・売ってるの?」と聞くと、
「うん!うん!うん!」とうなずきました。

薄暗い小さなプレハブ小屋の中で裸電球に照らされた栗の木のテーブルは、今まで見たことがないような暖かい、しかも重厚な雰囲気を持っていて、頑固おやじはすぐに「水戸に送ってもらえるかな?」とたずねました。

「手作り家具 頑固おやじ」が誕生した瞬間です。

そこから多くの職人たちとの出会いがありました。「頑固おやじ」が始まった当時は無垢材を使った家具はほとんど見ることがなく、私達も職人たちも不安でいっぱいでした。でも、お届けしたお客様から「ありがとう」と言ってもらえると、その不安も少しずつ少なくなり、いつの間にかたくさんのお客様から支持していただけるようになりました。

一時期、日本各地の家具屋さんとフランチャイズ契約をして、全国に何箇所か「頑固おやじ」ができたことがありました。その頃、フランチャイズ用として企画した商品を大きめの工場に作ってもらっていたことがあったのですが、お客様達は正直でした。

「品質が落ちましたね」

心に刺さる一言でした。そのことをきっかけにフランチャイズ契約を解消し、初心に返って自分たちが本当に納得できる家具をご提案するよう心がけています。

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